自動ブレーキ型人材へのアドバイス


自動ブレーキ型人材へのアドバイス

 

by 高杉尚孝(たかすぎひさたか)

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2014度の新人は「自動ブレーキ型」


2014年ももうすぐ9月、入社から早6ヶ月目に入ろうとしている新人さん達も社会人として職場に慣れたことだろう。

 

また、2015年の春卒業予定者の採用活動をすでに終えた企業も多いことだろう。

 

思えば、日本生産性本部が発表した平成26年度の新入社員タイプは、「自動ブレーキ型」だった。

 

「知識豊富で敏感。就職活動も手堅く進め、そこそこの内定を得ると、壁にぶつかる前に活動を終了。何事も安全運転の傾向がある。人を傷つけない安心感はあるが、どこか馬力不足との声も」

 

ちなみに、昨年度は「ロボット掃除機型」、一昨年度は「奇跡の一本松型」。

 

 

彼らへのアドバイスは「リスクを恐れるな」


同じ調査発表のなかで、「自動ブレーキ型」人材へのアドバイスがあった。

 

「新入社員の皆さんには、背伸びをせずに、ローリスク・ローリターンの安全運転もいいが、リスクを恐れずに、前向きに挑戦する失敗から学ぶ経験もしてほしい。」

 

とても良いアドバイスだ。

 

確かに、失敗から学ぶ場合が多い。個人的にも、失敗や批判から学んだ方が多い様に思う。

 

従って、「失敗を恐れないようにしよう」とのアドバイスだ。

 

無論、このアドバイスは新入社員向けのみではない。

年齢に関わらず、人生を通して役立つアドバイスだ。

 

「ミスを恐れないように心に決めている。」

 

そんなアスリートの話しも聞く。確かに、強気の姿勢は悪くない。

 

だが、その次が悩ましい。失敗からどう学ぶかもさることながら、まず、どうすれば失敗を恐れずに前向きに挑戦できるかだ。

 

 

恐れるべき対象を恐れないのは不自然


失敗を恐れながらも前向きに挑戦するのもひとつだ。

しかし、恐怖を覚えると、防衛本能として逃避行動に向かうことになり易い。

 

本能を敵に回すのは効率的でない。

 

本能的に逃げようとようとする中で、意志力だけで前に進むのは難しい。長続きしないし、持てる実力を出し辛くもなる。

 

それ以前に、当初のアドバイスである、「失敗を恐れず」に反している。

 

そもそも、失敗が「恐れの対象」であれば、恐れた方がよい。

 

恐れてしかるべき対象を恐れないのは不自然だ。

脳が機能障害を起こしている現れかもしれない。

 

実は、まったく恐怖を覚えない女性の症例が米国にある。大きなヘビやタランチュラをみても全く怖くないというのだ。

 

強盗に襲われた際、喉にナイフを突きつけられたときも恐怖心を覚えなかったという。

 

恐怖心を作り出す脳の扁桃体に異常があったからだというのだ。

 

 

失敗が本当に恐れの対象かどうかを見極める


肝心なのは、想定される失敗が、本当に恐怖の対象となるかをしっかりと見極めることだ。論理的、実証的、実利的な分析力が大事だ。

 

確かに、業務上の失敗は多くのデメリットを生むかもしれない。

 

しかし、失敗が「恐怖」の対象とすべき、

  「絶対にあってはならい耐えられない悲劇」なのか、それとも、「心配」の対象とすべき、

  「もちろん好ましくはないものの許容できる大きな不都合」なのか、の見極めが肝心だ。

 

許容出来ないリスクを孕んだアクションをとるのは無謀だ。やめた方がよい。だが、業務上の失敗は、程度の差はあれ、ほぼ全て許容できるリスクであるはずだ。

 

であれば、それは、あくまでも「心配」の対象である。「恐怖」の対象ではない。

 

 

「心配」することによって前向き行動を


ひとは何かを「心配」する時、本能的に準備行動をとる。

 

「心配」から来る本能的な準備行動と、目標達成願望から来る前向きな行動とを融合させると、良い結果を出せる確率が上がる。努力も長続きし易い。

 

自動ブレーキ型の新人に限らず、実際には許容できる失敗のリスクに対し、不必要な恐怖心を自ら作り出して、本能を敵に回さない練習を積んでおくのが重要だ。

 

さて、27年度の新入社員タイプはどんなところに落着くのだろうか。。。